DOMAINE PHILIPPE LECLERC フィリップ・ルクレール

amz-dom-report2009-01-31

この日も朝からどんよりした雲で今にも泣き出しそうな空模様。午前10時 歴史ある石畳のジュヴレ・シャンベルタンの村にあるPHILIPPE LECLERCを訪れた。相変わらずの真っ黒な舞台衣装のような出で立ちで出迎えてくれたフィリップ・ルクレール氏。過去の写真を見てみると、その姿は変わっていない。全くブレない彼のポリシーを感じる。まだまだ自らの手で掘り進めていると言う彼自慢の地下のカーヴで2007年を樽からテイスティング


1.BOURGOGNE ROUGE 2007
15%の新樽。2007年は10月1日から収穫を開始したそうだ。MLFが終わる頃でまだ少しガスが残っていた。彼曰く、2007年はとても開いていて飲み易いワインになったそうだ。2006年と2005年の中間ぐらいのスタイルと評している。

2.CHAMBOLLE MUSIGNY 2007
50%新樽。とても色合いが濃い。真っ黒な液体、樫の木がぎっちり詰まったような感じ。

3.GEVREY CHAMBERTIN LES PLATIERES 2007
1haの畑から造られ、新樽比率は60%。MLFが終わったばかりなのでとても飲みにくい段階でタンニンが少しきつい印象。リリースの頃は一体どうなるのだろうか。

4.GEVREY CHAMBERTIN EN CHAMPS 2007
0.8haの畑から造られ、新樽比率は60%。1級の畑から造られているキュヴェ。2007年は初めてシャプタリザシオンをしなかったそうだ。彼の畑では14.2度の糖度を得ることができたそうだ。彼の話では通常の生産者は9.5〜10度が2007年の平均値らしい。

5.GEVREY CHAMBERTIN 1er Cru LES CHAMPEAUX 2007
0.5haの畑から造られ、新樽比率は100%。シャンポーが一番フィネスを感じ易いと彼は言う。彼は4社の樽メーカーの樽を取り入れており、アリエとトロンセ産はタンニンが細かく繊細になるそうだ。樽の蓋の部分にメーカーの刻印があるが、Mの横に+が刻印されていたので疑問に思って聞いてみた。これは樽の焦がし加減を表すものでMはミディアムの意味を持つ。文字通り中間の焦がし加減。他の生産者もほとんどがこれだ。+というのは通常、樽の蓋と底の部分は焦がさず、生木のままだが、+はそこも焦がすのだそうだ。彼のワインのパワフルさの源だ。

6.GEVREY CHAMBERTIN 1er Cru LES CAZETIERS 2007
0.5haの畑から造られ、新樽比率は100%。現時点ではシャンポーより柔らかい印象。樽に負けないしっかりとした果実味。厚みがあって、繊細さとパワフルさのバランスがいいと彼は言う。2005年の力強さと2006年の柔らかさが入っている。

7.GEVREY CHAMBERTIN 1er Cru LA COMBE AUX MOINES 2007
一番柔らかく、果実味の甘みが強い。繊細さもこれが特に秀でている。


彼は武士道が大好きで、サムライの生き方にとても感銘を受けているそうだ。トム・クルーズ主演の映画「ラスト・サムライ」を観て、見た目に似合わず号泣したそうだ。だから日本人は大好きだとの事だが、日本に行った事はないそうだ。彼の夢の為にもサムライとニンジャはもういないことは言わないでおいた。

全然知らなかったことだが、彼のワインのあの派手なラベルは、レオナルド・ダ・ヴィンチの作品らしい。さてこれを何かに使えないだろうか。