ROBERT SIRUGUE ロベール・シルグ

amz-dom-report2009-01-30

ROBERT SIRUGUEを訪れたのは陽が落ちかけた16時だった。
出迎えてくれたのはこのドメーヌを取り仕切っている女性醸造家 マリー・フランセ氏。
地下のカーヴで2007年を樽からテイスティング



1.BOURGOGNE ROUGE 2007
これは2008年の収穫前の9月に瓶詰め。非常に柔らかくエレガントで果実味の豊かと熟度の高さ、酸とのバランスは素晴らしい。2006年の造りと違うのは除梗後にポンプで移動していたのを、2007年からは大きなケースに移してから行ったそうだ。これによりジュースを疲れさせない効果があり、年の持つとても柔らかく果実味が豊かで飲み心地の良いワインができたという。

2.VOSNE ROMANEE 2007
12月に瓶詰めしたばかりのこのワインはたっぷりとした甘みとふくよかさ、タンニンの角がなく、香りもエレガントで洗練されている。こんなにシルキーでしかもエレガント、さらに飲み心地のよい年はこれまでの経験で思いつかないと言うのが彼女の2007年の総評だ。2008年は力強くパワフルで酸がしっかりとしており、MLFはまだだがタンニンは2006年より少なくなるだろうとの事だ。

3.VOSNE ROMANEE V.V
12月に瓶詰め。3000本生産。新樽の比率は20〜25%。クロ・ド・ヴージョに隣接している区画で前出のヴォーヌ・ロマネよりストラクチャーがしっかりとしている印象。

4.CHAMBOLLE MUSIGNY 1er Cru LES MOMBIER 2007
新樽の比率は20〜25%。最近、これに近いワインを飲んだと感じながら思い出したのが、J.F.ミュニュエだ。あの洗練された絹のような継ぎ目のないエレガントさをこのワインでもしっかりと感じることができる。これにはとても驚いた。その他のヴォーヌ・ロマネもそのニュアンスがはっきりと分かる。2007年のシルグはかなりレベルが高い。

5.VOSNE ROMANEE 1er Cru PETITS MONTS 2007
新樽の比率は30%。とてもやわらかいタンニンを持ち、フィネスが特に感じられる。プティなんて可愛らしい名前はとても似合わない。

6.GRAND ECHEZEAUX 2007
僅か2樽、600本しか造られなかった。言うまでもなく素晴らしすぎる。いつも笑顔で迎えてくれる彼女は、2007年を早く世界中の人にお披露目したいと目を輝かせて言っていた。春の来日を考えていたが、スケジュールが合わず、やむなく断念した。控えめな彼女をその気にさせるほどの素晴らしい出来だ。長年の努力が花開いた記念碑的な2007年の入荷は10月だ。

余談だが、1年前に訪れた際のレポートにも書いた例のクロ・パラントゥに隣接したほったらかしの畑は、今年もそのままで葡萄は自然に実をつけたが、何も手をつけられないまま、葡萄は腐ってしまったそうだ。彼女はそれを見るたびに辛い思いをするそうだが、日本のゴミ屋敷同様、誰も手が出せないらしい。