REMOISSENET PERE ET FILS ルモワスネ・ペール・エ・フィス

amz-dom-report2009-01-28


ホテルのあるボーヌ市内からすぐ近くのREMOISSENETを訪れたのは午前10時。出迎えてくれたのはこのメゾンの経営を任されているベルナール・ルポルト氏。フランスの経済状態も当然ながら良くはないのでネゴシアンで値上をしたところも多いが、ルモワスネは当面考えていないそうだ。カーヴへ移動し、樽の中の2007年を試飲。




1.CHASSAGNE MONTRACHET 1er Cru LES MALTROIE 2007
酸も厚みもしっかりとある。ナッティであり、トロピカルフルーツのようなジューシーな香り。

2.MEURSAULT 1er Cru CHARMES 2007
白い花の香りと新樽の香りが溶け合いとても上品に仕上がっている。

3.BÂTARD MONTRACHET 2007
僅か5樽だけ生産。やや閉じた印象だが、特に洗練されている。

4.MONTRACHET 2007
濃密でありとてもナッティな印象とスタイリッシュでモダンなスタイルはとても好感が持てる。

5.CORTON ROUGE G.C 2007
MLFが終わった後はフルーツ味が良く出ている。煙、甘み、酸も程よい。樽の濃密で香ばしいテイストが綺麗に果実味に溶け込んでいる。

ルモワスネではワインになってから買うのではなくて、葡萄の段階で購入する事が増えたそうだ。2008年は200樽分の葡萄を購入したそうだ。

6.CHARMES CHAMBERTIN 2007
これは借りている畑から造ったそうだ。1/3haだけだが、購入するのはとんでもなく高いので、長期の契約で借りている。メタヤージュは造った葡萄の半分はぶどうを半分だけ手元に置き、残りを地主に納める契約だが、ルモワスネでは造ったものは全て自分の葡萄にすることができるフェルマージュの契約をしている。ニュイだけでも8.5ha契約したそうだ。ジュヴレ・シャンベルタン、ヴォーヌ・ロマネ、ニュイ・サン・ジョルジュなどがあるとの事だが日本への入荷はずっと先だがとても楽しみだ。
特に樽の使い方がうまいと感じた。繊細な果実味の良さを殺さない適度な新樽の比率はテロワールの個性を完璧に理解していないと出来ないことだ。ルモワスネでは白は25〜30%、赤は30〜35%の比率で新樽を使っている。約1/3なので樽は3年使い、その後、スコッチ・ウイスキーのメーカーに売却するそうだ。樽は1年使うと約半値で取引される。

7.CLOS DE VOUGEOT 2007
2007年がファースト・リリースとなるルモワスネが所有する畑。2009年からはラベルにドメーヌの記載が出来るそうだが、そこにこだわりはない。
それはドメーヌものだからといってそれがベストだとは考えていないからだ。ルモワスネは他のネゴスとは違い、本当に年毎に良いものだけを厳選して買っているので品質においてドメーヌ以上であるとの確固たる自信があるからだ。

場所をオフィスのテイスティング室に移し、定番になりうるアイテムを試飲。

8.GIVRY ROUGE PREFERRE DU HENRI ? 2002
酸も程よくバランスに優れ、この年の良さを熟知している事が良くわかる。野生のカシスなどの香りはとても食欲をかきたてる造りだ。

9.MERCUREY 2001
凝縮度はこちらの方がある。タンニンの角が程よく取れて、酸と果実味はいきいきとしている。この価格帯としてはかなり満足度が高い一本。

10.COTE DE NUITS VILLAGES 2000
タンニンは落ち着きを見せてながら、濃さ、甘みもしっかりと感じることが出来る。ワイルドベリー系の豊かな香りと枯葉、たっぷりと熟したカシスなどの果実味。底辺のレベルが高いのもルモワスネの魅力のひとつだ。

11.CÔTE DE BEAUNE VILLAGES 1997
果実の甘みもはっきりと感じられ、熟成したピノ・ノワールの良さが感じられる。
しなやかで落ち着いていながら、まだ若いチャーミングな印象が見え隠れしている。

12.SANTENAY 1998
野趣溢れる動物的な香り。チーズやジビエなどしっかりとした味わいのものや味噌を使った和食などイメージさせてくれる料理は幅広い。

13.SANTENAY 1993
タンニン、酸、果実味まだまだしっかりとした印象。継ぎ目がなくしなやかでストラクチャーもしっかりしている。本当にきれいな熟成が楽しめる。

14.VOLNAY 1993
とても柔らかく甘みも品がある。個人的にはもう少し厚みがあればと思うが、16年たってもこの果実味は素晴らしい。

15.CORTON BRESSANDE 1998
朝露に濡れた森の土、キメ細かいタンニンとこなれた果実味。