ANDRE BONHOMME アンドレ・ボノーム

amz-dom-report2009-01-27

 シャンボールからひたすら南下し、マコネーへ。
ANDRE BONHOMMEへ着いたのは15:30だった。
出迎えてくれたのはドメーヌの責任者であるエリック氏。
ドメーヌの入り口には高さ3mほどもある大きな鳥用のゲージが新設されていた。
中にはトロピカルムードたっぷりのビビットカラーの様々な色の大きな鳥達がいた。
彼らはこの寒いブルゴーニュの気候にも慣れたのか、伸び伸びと羽ばたいていた。

2008年は花の咲いた時期に雨が降ったので実がつくのが少なかったそうだ。
それでも凝縮度の高い果実を収穫することが出来て幸運にも恵まれたと語った。
ボジョレーやミュスカデなどでは全く実がつかなかった所もかなりあったそうだ。
ちっぽけな存在でしかない人間が大きな自然を相手にすることの厳しさを感じたそうだ。



1.MACON VILLAGES 2006
VIRE CLESSEのJ.Vにとてもよく似ている。酸も穏やかでミネラルはとても豊富。
Vire Clesseの範囲ではないのでMacon Villagesを名乗っているそうだが、Vireのすぐ隣にある畑なので土壌はかわらないそうだ。
彼の造るワインはすべてビオロジックで栽培されているそうだが、隣の生産者がそうでなかったりすると名乗ることが出来ないらしい。
彼は2006年を太陽の年だったと語る。

2.VIRE CLESSE J.V.2007
樹齢は12〜20歳。
100%ステンレスタンクで仕込まれる。酸がはっきりとしている長熟スタイルで、この年の個性を十分に引き出している。

3.VIRE CLESSE V.V 2007
樹齢30〜60年。新樽は使わず、2年樽を40%、残りをステンタンクで醸造アッサンブラージュ
まだにごりがあるが、J.Vよりもっとエレガントでがっしりとしている。

4.VIRE CLESSE CUVEE HOUR CLASSE 2006
75〜85年の樹齢。
よく熟した果実の香りとミネラル感は秀逸。
クリーンであり、とても洗練されたスタイルはこのドメーヌの最高キュヴェと呼ぶにふさわしい。
樽比率は40%で25%が新樽。
V.Vもそうだがタンクはタンク、樽は樽でそれぞれ醸造して最後にアッサンブラージュするそうだ。
樽のニュアンスが奥行をさらに広げている。それにしても顔に似合わず素晴らしいワインを造るなぁと感心してしまう。

5.VIRE CLESSE CUVEE HOUR CLASSE 2007
エリック氏の息子であるオレリアン氏が試験的に醸造した特別キュヴェ。100%樽でその内60%は新樽を使ったキュヴェはこのドメーヌのスタイルとは全く違うアプローチ。彼はディジョン大学でヴィノログの資格を取得するなど様々な知識を豊富に持ち、また若いので新しい事をどんどん取り入れそれを模索する意欲と情熱に溢れている。

それを正式にリリースするかは今のところ未定だが、とてもおもしろい試みだ。実際、このワインはムルソーのような肉厚さで、むっちりとした体躯と清涼感のある酸と果実味はとても素晴らしい。試験的なもので、生産はごく僅かの為、個人用になってしまうそうだが、今すぐリリースしても市場は賞賛と共に受け入れてくれるはずだ。

6.CREMENT DE BOURGOGNE 2006
ストロベリーやフランボワーズなどの赤い果実のジャミーな香りがとても好印象。とてもキメが細かい泡立ちはこのドメーヌの新しいファンを増やしてくれるだろう。クレマンの規定では9ヶ月の瓶熟でもクレマンを名乗れるが、より深みを出す為に規定の倍の18ヶ月もの歳月を費やしているという。マコン・ヴィラージュの畑をクレマン用に樹を剪定して造られた。泡とスティルワイン用では同じ品種でも剪定方法が全く異なるそうだ。クレマンの需要が思った以上に高かった為、マコンの畑をクレマン用に変えてしまったそうだ。2006年は4000本、2007年は4000本、2008年は6000本生産された。残念ながらマコンは2006年が最後になるそうだ。当然、シャルドネだけのブラン・ド・ブラン。シャンパーニュ方式で丁寧に造られている。

続いて2008年をテイスティング。2008年の収穫は10月4日開始。クレマンの畑から始めたそうだ。これも息子であるオレリアン氏が試験的に造った大変興味深いものだった。

7.VIRE CLESSE 2008
400Lのフレンチ・オークの新樽で造られている。マロラクティック発酵の真っ最中。

8.VIRE CLESSE 2008
300Lのアメリカン・オークでこれもマロラクティック醗酵中。独特のココナツの香りがほのかに香る。

9.VIRE CLESSE SUCCES d'AUTOMNE 1999
ヴァンダンジュ・タルディヴ。樽熟の為、ややオレンジがかったとろみのあるたっぷりとした甘さを備えたワイン。
フォアグラやイチヂクなどと是非あわせて愉しみたいワイン。2006年も造ることができたそうだ。