コント・ジョルジュ・ド・ヴォギュエ

amz-dom-report2009-01-21



COMTE GEORGES DE VOGÜEに着いて出迎えてくれたのは醸造責任者のフランソワ・ミレ氏。
早速、地下にあるカーヴで2007年を樽から試飲。


1.CHAMBOLLE MUSIGNY 2007

フレッシュでフルーツ味のある味わいが綺麗に現れている。
彼はこのフルーツ味をコンフィズリー(フランスの飴 中が甘く、外は酸っぱい)と表現した。
オレンジやレモン、グレープフルーツのような香りがその飴の特徴らしい。
フレッシュなフローラルの香りも備えていて、バランスがよくしなやかな果実味。新樽比率は15%。

彼は樽から吸い出したワインをグラスに注ぎながら語ってくれた。
2007年は4月がとても暑く、夏は涼しかった。
4月の終わりに花が終わったので8月には収穫できると思ったが、
涼しかったせいで、収穫を待ったそうだ。
8月の終わりから好天が続き果実はどんどん熟していった。


2.CHAMBOLLE MUSIGNY 1er Cru 2007

MUSIGNYの若樹(10〜25年)から造られるこのワイン。
新樽比率は35%。
若いミュジニーの味わいがはっきりと感じられるが、これをミュジニーとしてボトリングするのはまだ早いと彼は判断している。
ミュジニーは圧倒的にピュアでミネラル感のレベルが違うそうだ。
ただ『かなりお買い得だと思うよ』と、あまり笑わない彼が珍しく笑みを含みながら答えてくれた。
これを飲むとMusignyで彼が表現したかったことがよりよく分かるそうだ。


3.CHAMBOLLE MUSIGNY 1er Cru LES AMOUROUSES 2007

この畑で3番目の面積を所有しているが、それでもわずか0.56アール。
新樽比率は20%。樹齢は35年。
ミネラル感に特徴があり、温めてしまうとそれが消えてしまう為、14度で是非飲んで欲しいとの事。
2007年のこのフレッシュさは特にミネラル感を出すのにとても有効で、クリアな上、とても分かり易く、
土壌の味わいが素直に出せた年だとも評している。
口に含んだ瞬間、フランボワーズ、ミュール、ザクロなどの味わいが広がり、白胡椒のようなスパイシーな一面もある。


4.BONNE MARES 2007

新樽比率は40%。樹齢35年。
赤くよく熟した果実とチェリーやブルーベリーなどの要素が印象的。
骨格は、がっしりとしており、
バスケットいっぱいに盛られたフルーツを連想させる香りが鼻の中でいつまでも留まっている。


5.MUSIGNY V.V 2007

新樽比率は40%。
樹齢35年。30〜35樽程度で約1万本しか造られない伝説的とも言えるこのミュジニー。
一番甘みに富んでいて、凄みがある。
やわらかくどこまでもエレガント。
シルクを飲むという感覚に近いかもしれない。

2007年を彼はフレッシュさとフルーツ味だけの年ではないと言う。
何より深みがあり、熟成すると、とんでもない進化をすると彼は自信を持って語った。
2007年は他に例えようがないぐらいユニークな年だそうだ。
ヴォギュエの栽培法は厳密に言うとリュット・アンテグレと呼ばれるもの。
これはビオロジックとリュットレゾネのちょうど間に位置するらしい。
リュットレゾネよりさらに一歩踏み込んだよりエコな農法を取り入れている。
当然、殺虫剤などは使わないなど、限りなくビオロジックだが、ビオが最善ではないと彼は考えている。