ルモワスネ〜ポール・ペルノ

ルモワスネ・ペール・エ・フィスへ

10/9(火)快晴/10:30 ホテルからすぐ近くのBeaune市内にあるRemoissenet Père&Fils (ルモワスネ・ペール・エ・フィス)へ。
今年7月に来日したベルナール・ルポルト副社長と久しぶりの再会。
日本からのお土産の”一番”と漢字で書かれたエプロンを贈り、ご満悦の様子。しきりにこれ本当にNo.1って書いてあるの?と聞いていました。

少し離れた所にあるカーヴへ行き、ルモワスネでは珍しい2006年産のワインを全て樽から試飲しました。

[試飲アイテム]


1.Meulsault Maurice Chevalier 2006
フレッシュなリンゴ酸が印象的なワイン。それほど厚みはまだないのですが、今でも美味しく飲めてしまいます。

2.Puligny Montrachet 1er Cru Folatiéres 2006

3.Bienvenues Bâtard Montrachet 2006
香ばしい樽香、ナッツ、ミネラル感たっぷり。果実の濃さも程よい。まだ厚みこそ出てきてはいないのですが、すでに心地良い飲み口。余韻は長く、凝縮感もかなりありました。
4.Montrachet 2006
ビアンヴィニュよりさらにトロピカルフルーツが熟したような甘い香りとローストしたナッツ、バターなどの香りが品良く嗅ぎ取れます。出荷されるのは当分先ですが、とても楽しみなワインでした。

それから、カーヴのさらに中へ。中は迷路のように広く、とても写真では伝えることの出来ないものでした。ここでは数が少ないため、すでにルモワスネが案内から外しているものを中心に探してみました。そこはもう宝の山。60年代からのブルゴーニュ・ルージュやグレートヴィンテージの特級までが整然と並んでいる様は垂涎ものです。幾つかあった面白そうなものをまとめて買い付けられればと思っています。

カーヴでかなりの時間を費やした後、席についてボトルで試飲。

5.Bourgogne Blanc Posange 1998
まだ日本未入荷のワイン。もうすぐご案内の予定です。1988年に似た非常に良く出来た造りです。ミネラル感も程よく酸と果実のバランスがいいのでおすすめです。

6.Meulsault Maurice Chevalier 1997
ポサンジェに比べるとかなりしっかりとした濃さもあり、バターやナッツのニュアンスも感じ取れます。フレッシュな酸も十分にありますが、程よく角の取れた熟成感と長い余韻は印象的でした。

7.Puligny Montrachet 1998
香りから十分に人をひきつける魅力に溢れています。とても洗練された味わい。

8.Bourgogne Rouge Renomée 1999
9.Bourgogne Rouge Renomée 1998

艶めかしくもあり、ストラクチャーもしっかりとしたスタイル。バランスも良く、十分に熟成香も出てきています。

10.Royal Club Rouge 1997
前当主であるローラン・ルモワスネ氏が造った特別なキュヴェ。このキュヴェはたまにとんでもないワインが入っていることもあるそうです。今回、中身は分かりませんでした。湿ったオークのような熟成香もたっぷりとあり、ジビエ、黒胡椒、酵母の香りなど香りの要素がふんだんに詰まったワインでした。

11.Givry Rouge Le Prefere du Henri? 2000
アンリ4世のお気に入りと名付けられたこのワインは飲み口も優しく仕上がっており、程よく熟したタンニンと酸とのバランスはとても良かったです。

12.Vosne-Romanée Les Souchot 1991
熟成香たっぷりで丸みのあるタンニン、熟した甘みのある果実、ハーブ、豊かなフルーツがぎっしりとつまった感じです。90年の後でしたがこれも素晴らしい年だと感じました。

13.Grands Echezeaux 2002
通常、グラン・エシェゾーは飲み頃になるまで時間のかかる畑ですが、これはある程度角が上手く取れやわらかいタンニンと果実味を感じられます。2002は特にフルーツのニュアンスがとても良く出た素晴らしい年です。

14.Santenay 1er Cru La Comme 1982
過去に飲んだ82年のイメージとはかけ離れた質の良いものでした。十分に熟した赤い果実の甘みもたっぷりとあり、まだまだ熟成の可能性があります。82年はヴォーヌ・ロマネでは雹の被害があり、さらに収量が多かったため、どれだけ選別し、制限したかで違った年でした。サントネはそこまではひどくなかったのでしょうか。これまで他のドメーヌはどれも軽く飲めないものばかりでしたが、これは素晴らしいです。

15.Volnay 1982
サントネーより、酸がやわらかな印象で、熟成感もこちらの方がやや感じられました。

そのまま隣にセッティングされたテーブルでルポルト氏を囲んでランチ。
16.Pommard 1978
17.Savigny les Beaune Les Marconnets 1978
18.Vosne-Romanée 1969

ピュリニー・モンラッシェ村へ

6時間ほどたっぷりと滞在した後、ピュリニー・モンラッシェ村のDomaine Paul Pernot (ドメーヌ・ポール・ペルノ)へ車で移動。

16:00 出迎えてくれたのはポール・ペルノJr.氏。息子のフィリップ氏にはカナダ・ケベックへ旅行中だったので会えませんでした。
まず今年の出来について語ってくれました。
「今年は8月後半からいい天候がうちでは続き、収穫は9月1日から行った。収穫前の10日間で糖度が1度上がったことに非常に満足している。」


[試飲アイテム]

試飲は全てボトルから。
1.Bourgogne Blanc 2006
栽培面積は5ha。度数14度と高いアルコールですが、バランスがいいのでアルコール感は感じられません。2006年は良く熟した年で、例年通りあまり新樽は使っていないとの事。

2.Puligny Montrachet 2006
栽培面積は6ha。とてもナッティな印象。新樽は30%で二年物の樽も使います。

3.Puligny Montrachet 1er Cru Folatiéres2006
栽培面積は3.1ha。爽やかなシトラス系の香り。ねっとりとしていて粘度も程よい。ナッツ、パッションフルーツ、良く熟しているので洗練されたニューワールドのような印象も感じられます。2006年は酸度はあまり高くないので、どれも厚みのあるリッチでパワフルなワインが多い様です。

4.Puligny Montrachet 1er Cru Pucelles 2006
栽培面積は0.4ha。生産量は僅か200ケース程度。ちなみにラ・ガレンヌは栽培面積0.6ha。フォラティエールよりこちらの方が酸がしっかりとあるような印象。フォラティエールとビアンヴィニュの間にある素晴らしい畑ですが、生産数が少ないのが本当に残念です。

5.Bâtard Montrachet 2006
栽培面積は0.5ha。ポテンシャルがあり過ぎて、空けて数分ではその一部しか見せてくれないそんな印象を強く受けました。それでも樽と酸、果実味との個々の要素は素晴らしく、それらが見事に調和し始めています。

6.Bienvenues Bâtard Montrachet 2006
栽培面積は0.3ha。これも今すぐに判断するのは難しいワインでした。バタールよりやや濃さはあったように感じました。それでも香水を思わせるエレガントな香り立ちは突出しています。

7.Volnay Rouge 2006
強い酒質を持った白ワインのすぐ後のせいか、割と軽い印象を受けました。ここでは先に赤から収穫したそうです。50年の樹齢のせいか、質感などはきめ細かく、女性的でしっとりと落ち着きのあるクセのない赤でした。

8.Pommard Rouge 2006
樹齢60年。1級畑ペズロールのすぐ隣の畑。ヴォルネーよりさらに複雑。力強く、骨太で深みも十分にあり、もはや白の造り手の範疇を明らかに超えています。

9.Puligny Montrachet 1er Cru Folatiéres 1999
あまり古いのはなんだけど・・・と出してくれたのがこのワイン。ミネラル感がぎっしりと詰まった感じで、熟成によって、より多くの要素が引き出されています。まだまだ熟成のポテンシャルも秘めており、ブラインドなら間違いなくバタールだと思ってしまうでしょう。
2006年は全体的に13.5%〜14.3度のアルコールですが、どれも果実味があるのでそれを感じさせないのが印象的でした。新樽のそれぞれの比率は村名で30%、1級40%、特級50%。それぞれの畑の特性に合わせて巧みに新樽を使っていると感じる造りです。
最後に、もし願いが叶うなら、手がけてみたい畑は?との問いに彼は迷わず「そりゃ、モンラッシェだよ。でも買うのも借りるのも恐ろしいほど高いんだ。」と笑いながら答えてくれました。




19:30 昨日と同じホテル メルキュールへ戻り、ボーヌ市内のフレンチ・レストランで食事。

こちらではEtienne Sauzet / Puligny Montrachet 2003,Jacques Frederic Mugnier / Chambolle Musigny Les Amoureuses 2004 を飲みました。